おバカな話

カレーライスを置く向きを工学的見地から考察してみた

カレーライスを食べるとき、筆者はいつも向きに迷います。

よくありますよね。

ライスをに置くかに置くかって議論。

 

筆者は幼少期はライスでしたが、大人になってからライスに変わっています。

ところが最近、久しぶりにライスで食べてみたところ思いのほかしっくりくる感触を得てしまい、再びライスへの転向も辞さない姿勢になりつつあります。

筆者の宗派

 

本記事では、そんな宗派転向の経験を持つ筆者が、カレーライスの左右について悩み抜いた議論を綴ろうと思います。

ライス左 ライス右

 

なんだかおバカな雰囲気を感じたアナタ。正解です。これはおバカな記事です。よろしくお願いします。

これはおバカな記事です!

筆者は右利きです。

 

ライス右派としての主張

ライス右

まずはライスとしての主張を述べます。

筆者の主張は以下のポイントに集約されます。

ライスの特長

  • 1ストロークで食事ができる
  • 人体工学的に洗練された動きである
  • ライス量によってカレー量が決まる

順番に見ていきましょう。

1ストロークで食事ができる

まず何よりも重要なのが、ライス右の食事が1ストロークで完結するということです。

ライスの端の方にスプーンを突き立て、ライスを掬う動作をしながらその勢いでカレーまで掬う。動作の全てがシームレスに繋がっており、一切の無駄がありません。一筆書きです。

カレー右のスプーン軌道

これはヨーグルトを食べる動作と何ら変わりありません。スプーンの最も原始的な使い方であり、それだけに最も最適化された動きです。スプーンを馬に例えてよければ、これはまさしく人馬一体の様相だと言えるでしょう。

人体工学的に洗練された動きである

ライス右のストロークはシームレスな一筆書きですから、動きとしても非常に楽なのです。

ちょっとライス右の動きをやってみてください。人体工学的に無理のない、極めて滑らかな動きになっているのが分かるでしょうか。

これがライス左の食べ方の場合、少なくとも1度は手首を返すような動きが必要です。ライス左の食べ方は人体工学的に無理のある食べ方なのです。ライス左でカレーを食べ続けると手首を痛めるかもしれません。いや嘘ですけど。

ドラムの演奏方法の中に、肘から先の自然な回転を活かすモーラー奏法というテクニックがあります。人体工学的に無理のない叩き方として有名な奏法です。そして、ライス右でカレーを掬う感覚が、モーラー奏法でライドシンバルを刻む感覚とそっくりなのです。(筆者比)

ライス量によってカレー量が決まる

これは特長というより制御方式の話です。

お気づきの方も多いと思いますが、ライス右のときにスプーンで掬うカレーの量は、先に掬ったライスの量によって決定される傾向があります。

ライスを先に掬い、その残りのスペースにカレーが載るわけですから、スプーン上の比率は最初にスプーンを刺す位置によって決まるのです。

ライス多めのストロークカレー多めのストローク

これを工学的に言うと、ライス量がカレー量に対して支配的であると言います。

この特性により、食べたいカレーの量を見越してスプーンをコントロールする技量が操作者には求められます。

考え無しに大盛りのライスを掬ってしまった場合、カレーがほとんど載らずにライスだけを頬張る羽目になりかねません。ライス右は経験がモノをいう制御で成り立っているのです。

ライス左派としての主張

ライス左

つぎにライスとしての主張を述べます。

筆者の主張は以下のポイントに集約されます。

ライスの特長

  • ライス量とカレー量を容易に調節できる
  • ライスがカレーに混ざらない

図解:ライス左の食べ方

ところで、ライス左の食べ方というのは結構複雑でして、ライス右だけで生きている人には理解しにくい部分があります。筆者はメカニズムを理解するのに相当な時間を要しました。

というわけで、先にライス左の食べ方を図解しておきます。

ライス左の食べ方① ライス左の食べ方②

理解はOKでしょうか。では進めます。

ライス量とカレー量を容易に調節できる

ライス左の1番重要な部分は、カレーを口に運ぶまでに2ストロークを要するという点です。

先の図解のとおり、まずライスに切り込みを入れ、その後カレーを掬うという丁寧な工程であるため、安定した成果が得られるという特長があります。

つまり、ライスを切り取るときに誤って大量のライスを取ってしまったとしても、カレーを掬う前に手直しができるのです。

この手直しがあることで、ライス量とカレー量を容易に調節でき、結果として望みの比率を口に運べる可能性が極めて高いです。

これは工程と工程の間に1クッションを置くライス左だからこそできる芸当であり、1発勝負のライス右には考えられないメリットです。

工数が多くなる分どうしても時間はかかるのですが、時間を捨てて丁寧に仕事をしている、というのがライス左の考え方になるのでしょう。

ライスがカレーに混ざらない

ライス左派の人たちが声高に主張するのがコレです。

ライス左の食べ方だと、食べ進めている途中にライスとカレーが混ざらないのです。

ライス右の食べ方だとライスがカレーのエリアにガンガン侵攻するので、どんなに気を付けてもライスの1粒2粒はカレーに混ざってしまいます。

どうせ食べるんだからどうでもいいっちゃどうでもいいんですけど、ライス左の方がカレーとライスを最後までセパレートしやすいというのは間違いのないところです。まあこれは価値観の問題でしょうけどね。

筆者はライス右派からライス左派に移ったとき、ああ、私は今カレーライスを美しく食べているかも、と感じました。だから何だよって話ですけどね。

まとめ:使い分けに活路を見出せ

以上の議論の結果をまとめます。筆者が言いたいことはどうやらこういうことでした。

ライス ライス
制御機構 カレー&ライス並行制御 ライス支配型
メリット
  • ライスとカレーの比率が自在
  • キレイに食べられる
  • 1ストロークで食べられる
  • 人体工学的に無理が無い
デメリット
  • 食べるまでの手順が複雑
  • 手首を痛める可能性がある
  • 比率調整が感覚的で困難
  • カレーにライスが混ざる

手首を痛めるなんてのはイチャモンにもほどがありますね。まあ冗談だと思ってください。

 

合理の右・優雅の左

この表から1つの結論を出したいと思います。

ライスは合理的だけど精細に欠け、ライスは機動力に欠けるけど優雅だという結論です。

ライス=合理

ライス=優雅

というわけで筆者は今後、プライベートではライスパブリックではライスを使い分けて生きていくことを決意しました。

お付き合いいただき本当にありがとうございました。

これまでの議論が皆さんの指標になることを切に祈っております。

あとがき:広く深いカレー界

今回の議論では福神漬けの位置、温玉の位置、カツの位置などに全く触れることができませんでした。これらの要素を加味したとき、今までの議論の包括的な見直しが迫られることは言うまでもありません。

また、世の中にはご飯の上にカレーをぶっかける邪教もあるようですが、その存在を全く無視して議論を進めてしまいました。社員食堂などでそういうカレーに遭遇した時、我々は一体どのように対処すればよいのでしょうか。不安は尽きません。

これらの取りこぼしにより、今回の議論は決して網羅的なものではなく、広く深いカレー界の浅層を歩いただけに過ぎぬものとなってしまいました。深くお詫び申し上げ、今後の議論で挽回したい旨をお伝えします。今後ともよろしくお願いいたします。

書いてて思ったんですけど、こんなどうでもいいこと身近な疑問に真剣に取り組める自分は恵まれた人間だなと。

邪教徒
ケンカタくん
ケンカタくん
邪教徒だ!!!!!