電気って最高に身近な存在ですよね。
街を見渡せば電気で動くモノだらけですし、
皆さんがこの記事を読むデバイスも電気で動いています。
電気ナシで文明的な生活は有り得ない!ってぐらい我々の生活に浸透しています。
ところが、電気の詳しいところって意外と皆さん知りません。
電気がどうやって発電されて、どうやって皆さんの家に届けられて、それがどういう電圧でどういう周波数か、そもそも周波数って何か。皆さんご存知ですか?
せっかく身近にあるのに何も知らないのも面白くないと思うので、筆者が知ることをフランクにお伝えしたくて記事を書くことにしました。
電気設備は建築設備の要素ですから、私みたいな設備屋は門外漢なりに詳しくなります。
理系な内容になりますが、小中学生レベルの話から始めつつ、難しいところはボヤボヤっとテキトーに流しますので、テキトーな気持ちで読んでください。
まず本記事では、みなさんの家にもよくある「コンセント」を題材にして、電流と電圧ってなんやねん!っていうお話をします。
Contents
コンセントには種類がある
海外旅行に行くとコンセントプラグの形が違っていて驚きますよね。
「なんでこんな形なんだろう」と思うような凄い形のモノもあって、日本のコンセントのシンプルさが懐かしくなることがあります。

ところで、実は日本のコンセントにも種類があるのです。
まずは一覧表を見てみましょう。
日本のコンセント一覧
こちらが日本のコンセント一覧です。(自作なので寸法は多少狂ってるかも。許してください)

電圧と電流によって形が違うのが分かるかと思います。
1番左上のモノが普通のコンセントなんですけど、実は左右の穴の大きさが違います。これも結構知らない人が多い。皆さん知っていましたか?
ほとんどは業務用
皆さんが見たことあるのは、ほとんどが100V・15Aのものでしょう。
家によっては100V・20Aや200V・15Aはあるかもしれません。
それ以外のものは基本的に業務用なので、専門の仕事をしていないと目にする機会もないと思います。
へーこんなコンセントもあるんだーって思ってください。
電圧って何?
コンセントは電圧と電流で形が違うのでした。ここで電圧の話をしたいと思います。
電圧ってのは電気を流す力のことです。
電線という道の上に電気を押し込む力だと思ってください。
基本的に電圧が高くなればなるほど効率がよくなるのですが、代わりに危険度も増加します。界王拳みたいなものです。(ちげえか)
単位はV(ボルト)です。
200Vと100Vを比べると、200Vの方が2倍強いです。
同じ電線に対して200Vと100Vをかけると、200Vの方が2倍の電気を流すのです。力が2倍強いからです。
日本のコンセントは100Vが基本
上で見たとおり、日本のコンセントは100Vのものがほとんどです。もっと正確に言うと単相交流100Vです。
ただし、一般住宅でもエアコンとかの大型機器では200Vの商品も存在します。単相交流200Vです。
これは要するに、大型のエアコンには頑張って電気を流したいですから、100Vではなく200Vを使う場合があるということです。

大きな施設の空調だと三相交流400Vとかいうバケモノみたいな電圧を使うことがあります。
400Vはコンセントの形状があまり決まっていません。ブレーカーから機器まで電線を直接結ぶ場合が多いからです。
それぐらい大きい機器になるとずーっと置きっぱなしですから、コンセントを抜き差しする必要がないのです。
単相とか三相とか交流とかやかましいと思いますけど、それらの意味については後日の記事でお伝えします。今はとりあえず読み流しておいてください。
電流って何?
電流の話をします。
電流ってのは流れている電気の量のことです。
電線という道の上にどれだけの電気が今流れているかを示します。
とにかく今です。今の値です。現在値だと思ってください。
単位はA(アンペア)です。
もっと正確に言うと流れている電子の量なんですけど、電気と電子の違いは今は気にしないでください。
コンセントの電流値は”最大値”
コンセントには15Aと20Aと30Aがありましたね。
これは流せる電流の最大値を示すものです。
15Aなら15Aまでしか電流が流せませんよ。それを超えると回路が壊れて大変ですよ。っていうことです。(実際は回路が壊れるより先にブレーカーが落ちます)
皆さんが目にするコンセントのほとんどは15A用ですけど、
やっぱりエアコン用だと20A用のコンセントが付いていたりします。
自分の家のエアコンのコンセントを確認すると面白いかもしれません。
電圧と電流の関係 ⇒ 電圧が電流を生む!
大事なことなので同じことを何回か言います。
電流ってのは電圧がないと流れません。
電圧が電気を後押ししてはじめて電流になるのです。
電圧と電流のどちらが先か、というと電圧の方が先に存在します。

ちょっと抽象的に説明します。
まず電圧があって、次に電線という道があります。
道が広いと電気が流れやすいから電流は大きくなります。
道が狭いと電気が流れにくいから電流が少なくなります。
道の広さのことを抵抗といいます。
これは電線の種類などによって違ってきます。
銅の電線は抵抗が小さい(道が広い)から電気がよく流れますし、
ゴムの線は抵抗が大きい(道が狭い)から電気がほとんど流れません。
こうやって電流の量は決まるのです。
だから、100V20Aのコンセントに挿しても必ず20Aが流れるわけではないです。
100Vの電圧を受けて、使う機器によって道の広さが決まり、流れる電流がウンAだと決まるのです。
20Aのコンセントの場合、このウンAが20を超えちゃうと危ないから気をつけてね!ということです。
電力って何?
消費電力という言葉がありますが、今までの説明では出てきませんでした。
電力という言葉の意味について、これから説明していきます。
電力というのは、機械とかを動かすのに使われる電気のパワーのことです。
単位はW(ワット)です。
基本的には消費電力が大きい家電=パワフルだと思えばOKです。
消費電力600Wのドライヤーは弱い風しか出ないですし、
1000Wのドライヤーはパワフルな風が出ますよね。
電子レンジなんかもそうですよね。
「パワー」というと電圧と混同してしまいがちです。
ここでハッキリ区別しておきましょう。
電圧 | 電気を流す力(電流を生む力) |
---|---|
電力 | 機械を動かすパワー |
まあ実際は電圧が高くなれば電力も高くなり、結果的に機械もパワフルに動くんですけど、それでも「電圧=電力」ではないことを理解してください。
電流は「消費電力÷100」で計算できる!
家電の消費電力を100で割ると、家電を使ったときの電流の大きさが分かります。
理由は後で説明します。
例えば、1000Wのドライヤーを使うと10Aの電流が流れます。
(1000÷100をしました。)
これはブレーカが落ちるか落ちないかの計算に使えるので覚えておくと便利です。

例えば、筆者の家のブレーカには「40A」と書いてありますから、
このブレーカは40Aの電流で落ちてしまうわけです。
つまり、1000Wのドライヤーを4台同時に使うとブレーカが落ちることが分かります。
(ドライヤー1台で10A。4台で40A)
別の言い方をすると、ブレーカが40Aの家だと4000Wまでは同時に使えるのです。
20Aの家なら2000Wまでです。
これを覚えていると、
「電子レンジで800W…ドライヤーで1000W…テレビで50W…照明で大体100W…全部で1950Wだから同時に使えるな。」とかそういう計算ができます。
好きな女の子の前とかですぐに計算できるとかっこいいんじゃないでしょうか。
そんなシチュエーション無いと思いますけど。
電流が「消費電力÷100」で計算できるワケ
さっき「理由は後で説明します」って言った部分を説明します。
理系じゃない人には少しキツいかもしれませんけど、ここで計算式を出します。
計算式なんて一切読みたくないよって人は飛ばしてくれていいです。後には影響しません。
この記事はここで終わりなので次の記事でもお読みください。
では行きます。
電力=電流×電圧
電力=電流×電圧です。
電力=電流×電圧です。
大事なので2回言いました。
これは理屈とか抜きにして「そういうもんなんだな」と覚えてください。
日本のコンセントは大体100V
日本のコンセントは100Vですから、電圧は100で固定です。
電力=電流×電圧 に当てはめると
電力=電流×100
これを式変形すると、
電力÷100=電流 が得られます。
つまり、電力を100で割ると電流になるわけです。スッキリできたでしょうか。
勘の良い方はお分かりだと思いますが、200Vのコンセントの場合は「電力を200で割ると電流」になります。
次の記事では交流について説明します。
この記事の中でも名前が出てきましたね。
交流って何だろう?って方に是非読んでいただきたいと思います。