留年

留年した学生に考えてほしいこと

こんにちは。筆者です。

もう何度も言っていますが、筆者は大学で2留しています。

10年経った今も単位が足りない夢を見るぐらいのトラウマです。

でも、筆者はその後なんとか大学を卒業して、それなりの技術職に就いて、一級建築士まで取ってしまいました。自分で言うのもアレですが、2留からの立て直しにしては相当うまくいった方だと思います。

そんな経歴だからこそ見えることがあるというか、留年した人にこういうことを伝えたいなーってのがあるので、今回記事にします。

 

先に一番言いたいことだけ言っておきます。

留年したことを隠してはいけません。

さて、ここから本文です。

 

こんな人に読んでほしい

  • 留年しそうな人
  • 留年したての人
  • 留年してまた留年しそうな人
  • 留年に悩んでいる人
  • 大学を辞めたい人
  • その親御さん等

 

留年しない方がいい

分かり切ったことですが、留年はしない方がいいです。それは間違いありません。

留年すると色々な不都合が生じるからです。

だから、まだ留年していない人(留年しそうなだけの人)は、なんとか進級できるように今からでも根性出せないかをまず考えてみてください。大学で留年しないために意識すべき5つのことも読んでみてください。

でも、もうそういう段階ではなくて、リカバリーなんか全然できない感じで、どうしようもなく留年してしまう人、留年してしまった人、いると思います。筆者もそうだったから分かります。

そんな方への気の持ちようをお伝えします。

でも留年してもなんとかなる

留年はマイナス要素です。

ただ、人生が傾くほどの失点かというと、意外とそうでもないです。

月並みな言い方ですが、留年しても立派に社会生活を送っている方、たくさんいます。

筆者が思うに「留年した事実」ってのは意外と問題ではなく、むしろ留年したあとの「気の持ちよう」が大事なのです。

留年したこと自体に塞ぎこんでしまうと、後の可能性がガンガン潰れてしまいます。

それは凄く勿体ないことなので、留年してしまった方は、まず「気の持ちよう」を何とかしてください。

これからお伝えすることを意識されると良いと思います。

就活は希望を持ってよい

まず、就活では意外なほど勝負できます。

留年は完全にマイナス要素なのですが、「留年している」という理由だけで門前払いになるかというと、筆者の実体験として、そうでもありませんでした。

ESの通り具合とか、面接の経過とか、周りの人と比べて「不利だなー」と感じることはほとんどありませんでした。筆者は別に高学歴でもないですし、割と就職氷河期に近いところで就活したクチですが、それでも大丈夫だったのです。

もちろん「なんで留年したの」とか「留年したことについてどう思ってるの」みたいな質問が面接で飛んできますけど、ほんの数分の質問ですから、テンプレ気味な受け答えしているうちに終わりです。
留年した理由や内容よりも、留年したこと自体に負い目を感じていないかとか、やらかしたことを前向きに消化できているか、みたいなことが焦点になっている気がしました。

就活はコミュニケーション能力や人間力が大事と言われますが、まあ実際そうだと思います。留年した事実に塞ぎこまず、それもひっくるめて”マトモな人”になれれば勝負できると思います。

もちろん、「留年?気にしてまへん笑」みたいなアッパラパーはダメですし、「留年しました。死んで詫びようと思いました」みたいな人もダメだと思いますけどね。要はバランスよい人になれればOKなのです。それを意識して留年生活を送りましょう。

筆者は2回目に留年したとき、「あーブラック企業に入るしかないなー」みたいな諦念があったのですが、結局ホワイト企業ばかり受けて、入ることができました。
就活には就活用の戦略があって、学生時代の出来高はあまり関係なかったりします。(まあそういう企業ばかり見当つけて受けたんですけどね。これ大事)

2留でも大丈夫だったのですから、1留ぐらいなら絶対大丈夫だと言い切っておきます。

社会に出ると留年はリセットされる

社会に出ると学歴はどうでもいいです。

これはよく囁かれることですね。筆者も本当に痛感しました。

総務の誰々さんが1留だとか、営業の誰々さんが3浪だとか、そんなもんは本当に意味のない情報で、誰も気にしません。

飲み会で話のネタにすることはあったとしても、それが原因で実生活に影響があるかというと、ぜーんぜん何もないです。これは大企業でも中小企業でも同じじゃないですかね。

だから、留年は社会生活の枷にすらならないです。社会に出てしまえば0留も2留も同じ土俵です。まあ留年が出世に関係する企業はあるかもしれませんけど、ない企業の方が多いと思います。

別の言い方をすると、社会にさえ出てしまえば留年の事実はリセットです。ゼロベースで評価を積み上げていくことになります。

筆者は、1留した後も、2留した後も、大学生のうちは凄く悩んだり悶々としたりしたのですが、社会に出てからは全て笑い話にできました。

今思えば何故あんなに悩んでいたのかって感じです。(いや、留年は猛省すべきことなんですけどね)

留年の悩みには終わりがあると思ってください。少し気楽になるべきです。

留年のメリット

当たり前ですけど留年にはデメリットが多いです。
でも、少ないながらメリットもあります。

色々とリセットできる

留年することによって色々なことがリセットできます。

  • 同級生との人間関係
  • 出席日数
  • 半端だった課題
  • 半端だったレポート

そもそも留年というのは学生生活の何かが上手く行かなかった結果なのですから、留年した人は何かしら”ひずみ”みたいなものを抱えているわけです。そこに1年を追加してリセットするのが留年なのです。

“心機一転”という言葉がありますが、留年はまさにコレ。1年あれば大概のことは立て直せます。焦る必要はありませんから、これからどうするかを考えるとよいと思います。

新しい友人ができるかも

筆者が特にメリットに感じたのがこれです。

筆者は0留のときには友人があまりできなかったのですが、1留した後に友人に恵まれました。

もし0留のまま卒業していたらあの友人関係が無かったのだと思うと、1留したことは人生的にプラスだったなーとすら思います。(2留は余計だったかなーとも思います)

留年した先で友人を作るには開き直りが要りますけど、少しの勇気で人生が豊かになるかもしれません。その機会を前向きに捉える方がお得です。

 

留年した人がやってはいけないこと

筆者の経験を踏まえた上で、留年した学生がやってはいけないことをお伝えします。

これは大事なので肝に銘じてください。

悲観する

今まで述べたとおり、留年は確実にマイナス要素ですが、人生が暗転するほどのダメージにはなりません。

幸福な人生が閉ざされたわけではありませんから、ふんどしを締めなおして前に進むことが大事です。

むしろ、あなたの可能性を左右する要素は、今後の過ごし方にこそあると思います。

留年したことを隠す

留年したことを隠してはいけません。

一番大事なので冒頭でも言いました。

ご両親にも、ご友人にも、とにかく周りの人に絶対隠さないでください。

留年の事実は何より本人にとって非常にショッキングな出来事です。それまで順調な人生を送っていたなら挫折感も大きいと思います。往々にして隠したくなることでしょう。気持ちは本当に本当によく分かります。

ですが、留年の事実を隠すのは心理的負担が非常に大きいです。

いつバレるか、いつ失敗するか、そんなことに気を遣いながら生活を送るのは無理です。

ご両親に隠している場合、電話一本手紙一枚にも怯える毎日が続きます。

ご友人に隠している場合、掲示板や教授の発言に怯える毎日が続きます。

筆者のサークルの友人で、1年次に留年したことを友人にも両親にも言い出せずにいて、そのまま秋ぐらいに退学してしまった人がいました。
退学後もしばらくサークルにだけ出ていたのですが、急に「実はおれ退学していたんだ」とメールを送ってきて、音信不通になってしまいました。

彼のその後は分からないのですが、留年したことを周りに言い出していれば、或いは退学せずに立て直せたのではないかと、残念に思うのです。

隠していたなら今吐き出して

叱られても笑われても引かれてもいいじゃないですか。

あなたが死ぬほどの悩みではありませんから、ご両親にもご友人にもサッサとフェードアウトしましょう。

言い出す機会を逃していたなら、この記事を読んだことを機会にしましょう。

メールなり電話なりLINEなり、なんでもいいから吐き出してください。一方的な宣言でもいいです。飲みすぎた後に嘔吐するのと同じで、ちょっとした勇気でとても楽になります。

筆者は、1留目が分かったとき、全く両親に言い出せないでいました。たしか2月の中旬ぐらいに自分で成績開示をして留年を自覚したのですが、3月中旬ぐらいまで両親に言い出せなかったです。

結局、大学から成績通知(両親宛の書留!)が届いて逃れる術もなく発覚に至りましたが、両親の叱責を聞きながらも本当に本当に楽になったのを今でも覚えています。

とにかくフェードアウトしましょう。留年の悩みはまずそこから解消すべきです。

もし、これを読むあなたがご両親の立場だったら、まずは何よりもお子さんの心労を気遣っていただけると、筆者としては本望です。

 

難関資格の勉強をする

留年した失点を取り返そうとして難関資格の取得に走る方がいます。筆者のことです。

筆者は1留が決まった春休みに弁理士の勉強に走りました。

就活のときの言い訳にしたいとか、両親や友人へのポーズにしたいとか、まあ動機はこのへんだったと思います。

忘れてはいけないのですが、留年した人というのは、大体は学業が疎かだから留年したのです。留年生の本分は学業の立て直しにあるのであって、並行して難関資格などに手を出すのはどう考えても無茶です。

大学生にとって、資格試験なんてものは学業を完璧にこなしたうえでの「プラスアルファ」の世界の話ですから、まずは学業を完璧にこなすという前提が要るわけです。

1年あればどんな資格も受かるじゃん!などと考える方がいます。筆者のことです。

留年はただのリセットです。大抵のことはやり直せますが、新しい成果を求める時間ではないのです。

1年の猶予を大なり小なり食い潰した結果が今なのですから、時間的な猶予はそんなにないと思ってください。

筆者の弁理士試験ですが、4~5ヶ月程度の勉強を経て短答式試験(一次試験)に轟沈し、燃え尽き症候群になりました。当然学業にも身が入らず、単位をたくさん落として、2留への礎を築くことに成功しました。

授業を詰め込む

これも同じ。留年の失点を取り返そうとして翌年度に授業を詰め込む人がいます。筆者のことです。

これも資格の勉強と同じ理由でダメです。

留年した人は普通に単位を取るだけでも手一杯な人なのです。その人が翌年から優等生以上になれるわけがありません。

百歩譲って前期ぐらいは頑張れたとしても、きっと後期で破綻します。無理をすると無理が祟ります。大きな揺り戻しが来ないように、背伸びはやめておきましょう。

筆者は前期から破綻して、申請した単位の75%を落としました。75%を取ったのではなくて、75%を落としました。

留学とか・他大学への編入とか

これも同じです。これは筆者はやっていませんけど、筆者と同じタイミングで留年した仲間が失敗していました。

総論として、留年した人は「1年あるんだから何かしなきゃ!」という衝動に駆られていることが多い気がします。

戒めのために何度でも言いますが、留年した人は学業を普通にこなすキャパシティが足りないから留年したのであって、まずはそのキャパシティを並程度まで戻すとか、そのキャパシティの中で学業をこなす工夫をすべきなのです。

そこに資格取得とか留学とか編入とか、より多くのキャパシティを求める行為など加えるべきではありません。

去年80の行動しかできなかった人が今年160の行動をできるわけがないのです。まずは100を目指しましょう。

禁欲する

筆者もそうでしたが、留年するととにかく塞ぎこみがちになります。

その延長でありがちなのが、留年した自分を戒めようと娯楽を禁じたりすることです。

留年はよくないことですが、それがあなたの人生すべてを否定することにはなりません。

私生活を過度に制限する必要は普通ありませんから、どうか気楽にやってください。

趣味やバイトが高じて留年してしまったと感じているなら多少自粛する必要はありますが、なんにせよ極端な制限は後々毒になるものです。肝に銘じておきましょう。

 

留年した人がやるべきこと

逆に、留年した人がやるべきことをお伝えします。

留年を周知する

先ほども言いましたが、留年した事実は周囲の方に知らせましょう。

そのうえで、今後の学生生活を立て直すためになるべく協力を取り付けてください。

無理のない履修計画を練る

授業を詰め込むのはいけないと言いましたが、無理なく単位を取ることはもちろん悪くありません。

というか、単位を取らないとどうしようもないので、そこそこは頑張ってください。

大事なのは、自分が無理なく続けられる負荷をよく考えて履修計画を練ることです。

普通の学生生活を送る

“やってはダメなこと”で何度も言いましたが、留年した失点を取り返そうとしてはいけません。

留年した分を勉強で取り戻す必要はありませんし、留年の埋め合わせになるような就活ネタを作る必要などもありません。

普通の学生生活を普通に送ることを心がけてください。それが結果的に生活の立て直しに繋がります。

普通の学生が普通にやるように、課題の提出期限を守り、授業に出てノートをとって、テスト前にテスト勉強をするだけでいいです。

もし、自分にサボり癖や逃げ癖があると感じていたら、そこだけは直すように意識してください。

留年しないコツは大学で留年しないために意識すべき5つのことを参考にしてください。

まとめ:前向きに行きましょう

いかがだったでしょうか。

留年は大変なことですし、言い訳が聞きにくいことですから、どうしても塞ぎこんだり将来を悲観したりしてしまうと思います。

でも、人生が低迷するような出来事ではなくて、これからの行動次第でいくらでも返上できることですから、焦らず止まらず、なるべく前向きに消化していってほしいです。

この記事が留年した方の糧というか、指針みたいなものになってくれればいいなと、そう思いながら書きました。